星座の探し方

星を見ることは簡単です。極端に言えば、晴れた夜、空を見上げればいいだけ、です。それだけでも星は魅力的なんですが、星座や惑星がわかれば、もっと星見が楽しくなります。メシエ天体のことなどがわかるともっともっと楽しくなります。

星座って、ちょっとしたコツをつかめば、すぐ見つけることができるんです。星のソムリエは、そんなお手伝いをするのが役目なんです。ですから、星座の探し方(入門編です)のコーナーをつくってみました。春、夏、秋、冬の季節別に説明してみます。

星座は春夏秋冬で見えるものがかわります。そうです、地球は公転していますから。。。星空で季節を感じるというのもなかなかいいものですよ。。。


(1)春の星座

iステラで作成してます。。。

まずは春の星座です。2020年4月25日、20時00分、南を正面に見た空です(ちなみに、星座を探すときは南を正面に見るのが基本です)。さて、まずは目印を探しましょう。春の星空の目印は、ななの星、そうです、北斗七星です。北斗七星はとてもわかりやすいので、すぐに見つかります。

さて、これが見つかると後は、北斗七星のひしゃくの柄から曲線を延ばしていくと、春の星座たちを見つけていく手がかりになります。まずは春の大曲線。

北斗七星から、うしかい座一等星:アークトゥールス、おとめ座一等星:スピカと繋ぎます。
アークトゥールス、スピカとしし座のデネボラを繋いで春の大三角、さらに、りょうけん座のコル・カロリを加えて菱形をつくると、春のダイヤモンド。近くの一等星、レグルスが見つかればしし座が分かります。

大曲線、三角、ダイヤモンド、これができれば春もめぼしい星座が見つけられます。

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はい。春の星空はこんな感じです。かみのけ座(ベレニケが神に捧げた髪の毛)、かんむり座(デュオニソスがアリアドネね贈った冠)もぜひ探して欲しい星座です。

(2)夏の星座

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次は夏の星座です。2020年7月21日、21時30分、南を正面に見た空です。時間が春より遅い時間に設定しているのは、夏は暗くならないからです。20時00分ころでも太陽の残照があって、空に薄らと明るさが残っています。星空は見えないわけではないのですが、21時00分を過ぎた頃から見るのをお勧めします。まずは春と同じように目印を探しましょう。小学校の理科の授業で習う、大三角が目印です。天頂(真上付近ですね)を見上げて、一番明るい星を探してください。その星が見つかれば、すぐに三角がわかります。2020年の夏は、木星と土星も見えているんですね(惑星は年によって場所が変わります。だかた惑う星なんですね。)。木星と土星、望遠鏡があるとますます楽しめる星空です。

この三角となる明るい星、全て一等星です。この星を目印に星座を探していきます。

まずは、これです。こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを繋いだのが、夏の大三角です。はくちょう座の十字は、南十字星に対して北十字星(北十字)とも呼ばれます。

こんな感じですかね。さそり座と南斗六星はぜひチャレンジしてください。見えると感激します。また、個人的にはいるか座(アリオンを救ったイルカ)、や座(キューピットの矢)はお勧めする星座です。小さい星座なので条件の良い場合じゃないと厳しいかな。。。天の川も高原など条件の良い場所じゃないと見えないですかね。。。近頃の夜は明るすぎですね。本当に光害がひどくなっています。。。

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夏の星空はこんな感じです。英雄ヘラクレスのヘルクレス座、死者も生き返らせることができる名医、アスクレーピオスのへびつかい座などもオススメです。

(3)秋の星座

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はい、続いて秋の星座です。2020年10月15日、20時00分、南東を正面に見た空です。秋の星空は、南を正面にとるよりも、南東を向いた方がいろいろと探しやすいかなあ、と個人的には思っています。そのあたりはお好みで。。。2020年の秋は、まだ土星、木星が見えていますね。火星も見えるので、結構賑やか。。。海王星、天王星は残念ながら望遠鏡がないと見えません。。。

さて、秋の星空の目印は四辺形、そうです、四角形です。

目印は四辺形、秋の四辺形です。この四辺形を目印に星座を探していきます。この四辺形、二つの星座の共有物なんです。ペガスス(ペガサスのことです)とアンドロメダです。

アンドロメダ、ペガサス、う〜ん、ギリシア神話が好きな方ならわかりますかね。。。秋の星座って、アンドロメダとペルセウスの話しなんです。タイタンの戦いっていう映画がありましたが、あれです。

そうであれば、探す星座は、もちろんお話の登場人物です。。。

エチオピアのお話し。ケフウス王とカシオペア王妃の娘、アンドロメダ姫は大変美しかったそうです。カシオペアが娘を海の妖精よりも美しいと自慢したことで神の怒りをかいます。傲慢な人間を懲らしめるとめ、神はエチオピアで化けくじらティアマトを暴れさせます。このティアマトを鎮めるために、アンドロメダが生贄に差し出されることになりました。かわいそうなアンドロメダが、ティアマトに襲われそうになったとき、ペガサスに乗った勇者ペルセウスが登場、見事にティアマトを退治しました。

ずいぶんと端折りましたが、だいたいこんなお話しです。。。さて、では役者たちを探しましょう。

大分ごちゃごちゃしてますが、まあ、登場する役者が多いので。。。とにかく、目印の秋の四辺形と、カシオペアのWを見つけましょう。秋の星はあまり明るくないので、なかなか結びにくいかもしれません。ですから、何度も見て形を覚えてください。図形としてとらえやすいと思います。くじら座が一番の難関かなあ。。。図形ではないですから、怪獣をイメージするしかないです。デネブカイトスは四辺形の延長上にあるのと、比較的明るい星なので、まずはこれを見つけて手がかりにするといいかもしれません。ミラは有名な変光星です。がんばって見つけましょう。

秋は一等星が一つ(みなみのうお座フォーマルハウト)しかなく、暗めの星空ですが、その控えめな感じが、夏の暑さで痛んだ体を労わってくれているように感じます。でも、夜空に広がるのは、エチオピアで起こったスペクタクル巨編。。。なんとも魅力的な星空ですね。。。実は、私は秋の星空が一番好きなんです。

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はい、秋はこんな感じです。タイタンの戦いのほかに、やぎ座、うお座も秋の星座です。このお話もおもしろいですよ。。。秋の星空は物語とセットで覚えてください。。。

(4)冬の星座

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最後は冬の星座ですね。2021年2月10日、20時00分、南を正面に見た空です。冬は星が一番きれいに見れるシーズンです。湿気が少なく、空気が乾燥しているので、透明度が高くなるんです。。。日の入りも早いので、暗くなるのも早いという好条件。しかも一等星が7つも輝いています。一等星は21個しかありませんから、その3分の1が冬のものです。なんとも贅沢な星空です。

さて、冬の星空の目印は、そうです、日本では最も有名で人気があるといってもいいオリオンです。

オリオン座は観望会などでも、ほとんど方が知っていて、みんなすぐに見つけます。これが見つかると、あとは冬の星座は簡単にわかります。

一等星は明るいので、すぐにわかります。まずは一等星を探してください。そしてオリオン座、おうし座、ぎょしゃ座、ふたご座、こいぬ座、おおいぬ座にある6つの一等星を繋ぐと、六角ができますね。上の図の黄色い線です。これを、冬のダイヤモンドといいます。冬の星座を探すポイントですね。

そしてもう一つ。全天で一番明るい恒星と言われるおおいぬ座のシリウスを目印に、オリオン座のリゲル、こいぬ座のリゲルを結ぶと三角ができます。上の図の青い線です。これを冬の大三角といいます。

探すのは一等星ですから、意外と簡単にわかりますので、ダイヤモンドと大三角を覚えて、冬の星座をマスターしてください。ちなみに、おうし座の背中の部分に、すばるがあります。そうです、♫わ〜れもゆく〜さらばすばるよ〜、のすばるです。これもぜひ見つけてくだだい。

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冬の空です。一番空気がきれいで、一番贅沢な星空です。冬の星空は目を引かれるような魅力がありますよね。

ただし、冬の夜はとても寒いです。寒さを甘く見ると、星見ではなく、なんの罰ゲームだよ!、という具合に辛い思い出になってしまいます。防寒対策はしっかりとすることは必須です。他のシーズンと違って、星見の前の準備も大切な事項になりますのでご留意ください。。。

(5)おまけ

四季の星座のほかに、北極星のみつけかたをおまけに書いておきます。

北斗七星とカシオペアから見つけるやり方が一般的です。夏の大三角を使うやり方はちょっと通ですね。本当の星空で試してみてください。